by LabyrinthWalk |
2022年 11月 01日
10月13日~23日。東京の「土日画廊」で、 田尻幸子さんの個展「ひかりのつぶ Ⅲ」が開かれました。 もともとは住宅だった画廊の一室の 窓辺から床に薄茶色の球体が群れてうずくまり いくつかは鈍く光っています。 窓から入る午後の光の中で 最初にそのさまを見た私の印象は、 「怖い」「何か怖いものが出て来そう」でした。 粒が何かを内包する気配を「怖い」と感じたのは、 災害や疫禍や戦禍、環境変動などの脅威が続き 外界に身構える私の心が 映し出されたのだろうと思います。 そこにずっと在りながら見えていなかった 微かな光が見えて来ました。 周囲が暗くなると共に見えなかったものが見えて来る。 時間を経て初めて見ることができたその変化、その光景は、 この日の私には「聖らか」な「希望」と感じられました。 帰り際に私は、 「田尻さんの作品を見ると生き返る」と言っていました。 自分でも思いがけない言葉でした。 田尻作品を介して、 自分の中から不思議な反応、未知の反応が湧き出る時、私は、 生きている自分を感じるのだと気づきました。 これまでも、今回も、 そのような体験を与えてもらえました。 田尻さん、土日画廊、作品が形造られるまでに在った 多くのものに感謝します。
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| 2022-11-01 07:39
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